体圧分散マットレスとは?どんな特徴や効果があるの?
- 更新日:2024-4-11
- 公開日:2023-1-7
マットレスの特徴の説明で「体圧分散」という言葉を聞いたことはありませんか?何となく睡眠に良さそうなことは想像がついても、具体的にどのような性能なのかご存じない方も多いのではないでしょうか。ここでは、体圧分散とはどのような性能なのか、体圧分散性の高いマットレスの種類とその特徴などをご紹介いたします。
マットレスの特徴の説明で「体圧分散」という言葉を聞いたことはありませんか?「このマットレスは体圧分散性に優れており、理想の寝心地を実現します」などです。何となく睡眠に良さそうなことは想像がついても、具体的にどのような性能なのかご存じない方も多いのではないでしょうか。ここでは、体圧分散とはどのような性能なのか、体圧分散性の高いマットレスの種類とその特徴をご紹介いたします。
体圧分散(体圧分散性)とは?
体圧分散は快眠を促してくれる性能の1つで、マットレスを選ぶにあたり確認しておきたいポイントです。
そもそも体圧とは、敷布団やマットレスの上に横になったとき、体重がかかる部分や出っ張った部分にかかる圧力のことをいい、これを分散する力のことを体圧分散と言います。人の身体は部位によって湾曲しており、重さがそれぞれ異なります。仰向けで寝ると、肩甲骨や尾?骨(びていこつ)は他の部位よりも突き出ています。各部位の荷重の割合を比較すると、上半身は頭も含めて41%、腰などの中半身においては44%です。背中や腰は他の部位よりも体重がかかっているのがわかります。
睡眠中に発生する体重による身体の痛みや不快感を解消するためにも、体圧分散はとても重要です。特定の箇所にかかる圧力を分散させることで、身体の出っ張った部分の負担が軽減され、リラックスした状態で眠れます。
今では、マットレスの体圧分散性を把握できるよう、体圧分散図を提示する商品も出てきました。体圧分散図とは、人が仰向けになったときの姿勢で、圧力のかかり具合をそれぞれの色で表したものです。青色や緑色で示された箇所はさほど圧力がかかっていない部位で、黄色や赤色は圧力が強くかかる部位を示しています。
体圧分散性の高いマットレスを使うメリットとは?身体にどのような影響を与える?
体圧分散性の高いマットレスには、どのような利点があるのでしょうか。ここでは体圧分散性の高いマットレスを利用するメリットについてご紹介します。
||||床ずれ・ずり落ちを軽減できる
寝返りを打つのが難しい方や寝たきりの方等、長時間姿勢を変えなかった場合には、同じ箇所に圧力がかかり、身体を痛めるケースがあります。また、介護用ベッドから起き上がる際、マットレスのずり落ちが生じる可能性も。ですが、体圧分散性の高いマットレスは同じ部位への圧力を緩和するため、床ずれのリスクを軽減できます。体位を変えやすいのも嬉しいポイントです。
||||肩こり・腰痛を対策できる
私たちは一度眠りに入ると、20回程度の寝返りを打つといわれています。横向きの時間が長いとそのぶん肩に力が加わるので、肩こりにつながります。また、柔らかすぎる寝具や硬いマットレスで寝ていると腰痛を引き起こす場合も。肩こりや腰痛に悩んでいる方は、肩や腰の負担を和らげる体圧分散性の高いマットレスを選びましょう。
体圧分散性の低いマットレスの寝心地は?
硬すぎるマットレスだと、クッション性がない分身体の出っ張った部分に無理な力がかかります。そのため、特定部位にコリや痛みが生じる場合や、リラックスした状態で眠りにつくのが難しくなります。寝返りの回数が増えてしまえば、十分に疲れがとれない可能性もあります。
ただし、体圧分散性が高過ぎるのも問題です。柔らかすぎるマットレスだと腰や背中が沈むので、寝る姿勢が崩れて身体に負担がかかります。マットレスが衝撃を吸収する分、寝返りを打つための力が必要になり、肩こりが生じるケースもあるので、適度な弾力を兼ね備えたマットレスを選ぶのが重要です。
体圧分散性能の高いマットレスの素材とは?
寝心地の良さを兼ね備えたマットレスには、体圧分散性を高める素材が関係しています。今回は3つの素材をご紹介します。
||||ウレタン
身体への反発が小さいので、マットレスには頻繁に使用される素材です。一般的には「ウレタン」という名称で広まっていますが、正式名称は「ポリウレタン」です。ウレタンはマットレスをはじめ、台所スポンジや断熱材、ヘルメットのクッション材などに使われています。
ウレタンはシャボン玉のような泡(セル)がたくさん繋がった集合体で、この泡がバネの役割を持っています。このバネの硬さによってクッション弾性を調整することが可能です。繊維状のウレタンの場合、ゴムのような伸縮性を兼ね備えているのも特徴の一つ。元のサイズの5~7倍ほどの大きさまで伸びつつ、すぐに元の状態に戻ります。
ウレタンで作られたマットレスには「低反発」と「高反発」があります。低反発マットレスは身体へのフィット感が良く、柔らかい寝心地に対し、高反発マットレスは耐久性も優れた心地良い硬さが魅力です。
||||ジェルトロン
「水の浮力」をコンセプトに生み出されたジェルトロンは、身体の凹凸や部位に合わせて形状を変えられる素材です。背中のように面積が広い箇所の沈み込みを抑えつつ、かかとやヒジなどの出っ張った部分は、深く沈み込む「体圧分散性能」を兼ね備えています。
垂直に加わる力はもとより、寝返り時に起こりやすい、横や斜めから加わる力にも形状を変化させ、身体への負担を減らすのも特徴の一つ。ずれやねじれの力を吸収することで不要な寝返りが減り、床ずれ防止が期待できます。優れた柔軟性に加え、耐久性を兼ね備えているのも大きなポイント。耐久性に加えて伸縮性も備えているので、寝心地の良い環境を生み出すのに適した素材です。
||||ラテックス
天然製と人工製の2種類があるラテックスは、環境に優しい素材の一つです。ラテックスは、天然ゴムの木から絞り出した樹液を加工して作られます。体圧分散性に優れているので、身体をしっかり支えつつ、沈み込みすぎない姿勢を保てるのが大きな魅力。寝返りもスムーズに打ちやすい反発性も兼ね備えています。長期間使える品質で耐久性や抗菌性にも優れた素材です。廃棄時に土に埋めると6~7年かけて分解するので、地球に優しいことも特徴です。
素材ごとの体圧分散のしくみ(低反発マットレス、高反発マットレス等)
マットレスの素材によって、体圧分散性や寝心地は異なります。今回は、低反発マットレス・高反発マットレスによる体圧分散のしくみについてご紹介します。
||||低反発マットレス
低反発マットレスの大きな特徴は、一人ひとりの身体の形や重さに沿って、身体への圧力を分散することです。品質の良い低反発マットレスの場合は、体圧分散効果を考えて作られています。密着率が高い分、暑さやムレ、寝返りの打ちにくさを感じる場合があるため、マットレスの通気性や正しい寝姿勢をキープするサポート力がとても重要です。中には柔らかさのみに重点を置き、その他の機能面は劣るマットレスもあります。低反発の効果を得られる商品を選ぶ際は、マットレスを押した際の戻り方や、実際に横になって寝返りのしやすさを確認しましょう。
||||高反発マットレス
高反発マットレスは、寝ている間の身体にかかる圧力を分散させながらも、低反発マットレスのように沈み込まず、跳ね返す力を兼ね備えているのが特徴です。ただし、下から押し返す力が強い分、マットレスと触れ合う部分に負担をかけるため、血流やリンパの流れが滞る可能性があります。寝返りの打ちやすさは快適な眠りにもつながるので、高反発マットレスを選ぶ際は、体圧分散性の高さを確認しましょう。
||||ポケットコイルマットレス
立てて並べられたコイルスプリングは、点で身体に接触し、力が加わりやすい背中や腰へのダメージを軽減するのが大きな特徴です。ただし、重い部位を支えるコイルの数が少ないと負荷がかかり、耐久性が劣ります。購入する際は、ポケットコイルの数の多さを確認してください。コイルの並べ方は同じ感覚で並んだ配列よりも、すき間をきっちり埋めて並べられた配列のほうがコイルの数が多くなるといわれています。通気性の良さや防臭加工、正しい姿勢が保てるかどうかもチェックしましょう。
パラマウントベッドのマットレス「カルムアドバンス」は、ポリエステル繊維を芯材に、ソフト面は弾力性の異なるウレタンフォームを2層、ハード面はウレタンフォームを1層組み合わせたリバーシブルタイプ。寝返りのしやすさとよりすぐれた「体圧分散性」を実現しています。詳しくはこちらのカルムアドバンスをご覧ください。
マットレスには、身体への負担が少ない寝姿勢(寝相)を保つ役割があります。それが実現できるかを知る目安としてわかりやすいのが「体圧分散性」なので、今後マットレスの購入を検討する時はチェックしてみてください。