高齢者が使いやすいベッドとは?どれを選べばいいの?
- 更新日:2024-4-30
- 公開日:2023-11-4
加齢に伴い「布団の上げ下ろしが辛くなってきた」、「スムーズに屈めない」という方も多いのではないでしょうか。今回は、布団の上げ下ろしに負担を感じる方に向け、おすすめのベッドや選ぶ際のポイントを紹介します。
加齢に伴い「布団の上げ下ろしが辛くなってきた」、「スムーズに屈めなくなってきた」という方も多いのではないでしょうか。今回は、そんな布団の上げ下ろしに負担を感じる方に向け、おすすめのベッドや選ぶ際のポイントを紹介します。
寝具をベッドに変えるメリット
加齢などで身体が衰えると、布団の上げ下ろしや布団から立ち上がる動作が辛くなることもしばしばです。その辛さをきっかけに、布団からベッドへ寝具を変えるという方も少なくありません。以下では、ベッドが高齢者に適しているポイントについて解説します。
||||しゃがむ動作と立ち上がる動作が最低限で済む
ベッドは布団のように床に敷く必要がないため、しゃがむ動作と立ち上がる動作による負担を軽減できます。しゃがむ動作も立ち上がる動作も、高齢者に限らず足腰に大きな負担がかかるものです。この負担を考えると、ある程度の高さがあり布団より少ない動作で使用できるベッドは、身体に負担をかけにくいという利点があります。
||||埃を吸い込みにくい
空気中の埃の多くは、床に近い高さに漂っています。布団だと床から距離が近いため、睡眠中に埃を吸い込みやすくなるのが欠点です。対するベッドは布団よりも高い位置で眠りやすく、埃を吸い込みにくいメリットがあると言えるでしょう。
||||食事や読書がしやすい
ベッドの中には、サイドテーブルやリクライニング機能が搭載されているものもあります。サイドテーブルは、ベッドで食事を摂る高齢者にとっては役立つ機能となるでしょう。また、リクライニング機能があればベッドから起き上がりやすくなるのに加え、読書、テレビ鑑賞なども行いやすくなるのがポイントです。
||||介護にかかる負担を軽減しやすい
ベッドであれば、しゃがみや立ち上がりの動作が布団より少なくて済むのは、介護者にとっても同様です。介護の負担を軽減したいというケースにおいても、布団よりもベッドをおすすめします。リクライニング機能や高さ調節機能などの機能を活用すれば、介護者と被介護者と共に身体への負担もより抑えやすくなるでしょう。
高齢者のベッド選びで注意した方が良いこと
ベッドには多くの長所がある反面、相応のリスクが発生するケースもしばしばです。高齢者が使用するベッドを選ぶ際は、以下のポイントに注意してベッドを選ぶと良いでしょう。
- 広さに余裕があるベッドを選ぶ
- マットレスの性能を見極める
- 高さがちょうど良いものを選ぶ
||||広さに余裕のあるベッドを選ぶ
就寝中の落下リスクを考慮して、できるだけ余裕のある広さのベッドを選びましょう。広さに余裕のあるベッドを選ぶと同時に、落下防止のサイドレールを取り付けるのもおすすめです。
||||マットレスの性能を見極める
マットレスを選ぶポイントはさまざまですが、中でも反発力と硬さの2点に注目しましょう。マットレスの反発力は、寝返りのしやすさを左右する要素です。反発力のあるマットレスを選ぶことで、少ない力で寝返りが打ちやすくなります。
寝返りは、睡眠中の身体への圧力を分散して睡眠の質の向上に役立ちます。マットレスの硬さは、「寝返りのしやすさ」で選ぶのがおすすめです。例えば、柔らかすぎるマットレスを選ぶと、腰や背中が沈みすぎてしまい、寝苦しさを助長してしまうこともあります。寝返りのしやすさは人によって基準が異なりますが、少ない力で寝返りが打てるマットレスであれば、等反発(人の身体に等しい柔らかさ)のマットレスなどがおすすめです。
||||ちょうど良い高さのものを選ぶ
ベッドを選ぶ際は、高さも重要な要素です。目安はベッドの縁に腰掛けた時、足が床につく高さが良いでしょう。足が届かなければ高すぎ、逆に足の裏がぴったりとつきすぎているのであれば低すぎる可能性があります。ベッドフレーム本体とマットレスを組み合わせた時に、どれくらいの高さになるのかをしっかり確認しましょう。
高齢者におすすめのベッドとは
高齢者が使いやすいベッドとして、介護ベッドをおすすめします。介護ベッドを選ぶ際は、以下のポイントを参考に、ご自身や家族に合ったベッドを選んでいきましょう。
- 高さを調節できる
- リクライニング機能がついている
- 落下防止対策がとれる
- 車椅子用の移乗ボードが使いやすいか否か
- モーター数による機能を把握する
||||高さを調節できる
食事や睡眠など、ベッドを使用するタイミングに応じて、「高さを変えたい」と考える方は少なくないでしょう。そこでおすすめなのが、自由に高さを調節できるベッドです。いつでも適した高さに調節できることで、就寝はもちろん立ち上がりやお掃除の負担の軽減にも繋がります。
パラマウントベッドの「INTIME1000」は、高さを調節できる「ハイロー機能」を搭載。使用するタイミングに合わせて高さを変えられます。介護が必要な方はもちろん、「将来、介護が必要になった時に備えたい」と考える方のニーズにもお応えできるのがポイントです。詳しくは、パラマウントベッドの新電動ベッド「INTIME1000」についてのページをご確認ください。
||||リクライニング機能がついている
介護ベッドを選ぶ際は、リクライニング機能の有無も確認しましょう。リクライニング機能を活用すれば、使用する方のさまざまな動作をサポートできます。背もたれのようにしてゆったり座れるようにしたり、起き上がりをサポートしたり、ベッドの上でも快適に過ごせるように工夫できるのが魅力です。メリットの項でも記述した通り、食事や読書などもしやすくなるため、使用する方の生活により良い影響を与えやすくなります。
||||落下防止対策がとれる
ベッドは、余裕のある広さのものを選ぶことはもちろん、サイドレールを設置できるか否かを確認しましょう。サイドレールがあることで落下を防止しやすくなるだけでなく、寝具がずり落ちるのも防ぎやすくなります。
サイドレール付ベッドを使用する際に注意したいのが、「サイドレールは体重を支えるためのものではない」という点です。こうした注意点をしっかりと把握した上でベッド選びを行うと良いでしょう。体重を支える補助アイテムが欲しいのであれば、専用の介助バーを導入するのがおすすめです。
||||車椅子用の移乗ボードが使いやすいか否か
ベッドから車椅子へ移乗することが想定される場合、ベッドと合わせてスライディングボード(移乗用ボード)も選んでおくとよいでしょう。スライディングボードを使うと、座ったままボードの上を移動するだけで車椅子とベッド間の移乗を行いやすくなります。被介護者(被介助者)の方だけでなく、介護をする方の負担を軽減しやすくなるのです。
||||モーター数による機能を把握する
介護ベッドは、「1+1モーター」、「2モーター」、「3モーター」のようなモーター数がベッドによって異なります。端的に言えば、モーターの数によってベッドの操作できる機能が増える仕組みです。モーターの数によっては、膝上げや高さ調節機能などが搭載されていないこともあるため、使用する方の状態に合ったモーター数のベッドを選ぶことが大切です。
寝たきりを防止しやすくする方法とは?
ベッドが快適であればあるほど、身体への負担を軽減しやすくなります。ただし、ベッドに頼りすぎてしまうと本来の身体能力に影響を与えてしまうことも少なくありません。その結果、さまざまな機能が低下し、寝たきりに繋がってしまうことも考えられます。以下では寝たきりになってしまう原因と、寝たきりを防ぐためのポイントを紹介します。
||||寝たきりになると起こりやすい「廃用症候群」とは
寝たきりになると、「廃用症候群」の状態に陥りやすくなります。廃用症候群は、長期間続く安静状態によって身体機能が大きく低下することを指します。長期間、安静状態を続けた結果、筋力が大きく低下することもあるのです。身体機能の衰えに伴い、孤独感や極度の落ち込みといった現象が現れるケースもあります。
||||簡単な運動で身体を動かす
身体機能の低下を抑えるためには、簡単な運動で身体を動かすのがおすすめです。体位変換をして身体への圧力を分散させたり、座位を増やしたりして起き上がる時の筋力をキープするといった方法を試してみましょう。また、寝たままで足首を回したり、手足をもみほぐしたりするのも効果が期待できます。ある程度、身体が動かせるのであれば、着替えや階段の上り下りなどの日常動作も積極的に取り入れましょう。
また、自分でできることはできる限り自力でやる(させてあげる)ことも大切です。身体を動かす機会が増える上、介護されている本人に自信や意欲が生まれやすくなります。
||||必要に応じて医師や作業療法士(または理学療法士)からサポートを受ける
身体を動かすことは、寝たきりを防ぐために重要なことです。しかし、家族の独断だけで運動を取り入れるのは避けましょう。思わぬ事故を防ぐためにも、医師や作業療法士、理学療法士の指導を受けた上で運動を取り入れることが大切です。
||||栄養バランスを考えた食事を摂取する
身体を動かすためには、バランスのいい食事で必要な栄養を摂ることも重要です。とくに、筋肉の元となるタンパク質やエネルギー生成に欠かせないビタミン類を意識した食事を取り入れましょう。豆類や乳製品、野菜を使った献立を意識するのがおすすめです。
||||できる限り社会参加をする
身体を動かしていても、精神的な落ち込みや孤独感が強まると身体を動かす意欲そのものが低下しやすくなってしまいます。そうならないためにも、趣味の集まりや友人同士のコミュニティで楽しみ、社会参加をすることが大切です。これは介護を受ける方だけでなく、家族の協力も不可欠となります。できる限り外出の機会をつくる、会話やコミュニケーションの機会を増やすなどの工夫で精神的なケアを行いましょう。
適切なベッド選びで健康に
繰り返しになりますが、介護ベッドは高齢者だけでなく、そのご家族や持病のある方の負担を軽減してくれるものです。サイズや高さ、搭載されている機能などを把握しながら、適したベッドを選択していきましょう。用途や目的に合ったベッドを選ぶのと同時に、高齢者が自力でできることを積極的に見つけていくことも大切です。